退職のために有給消化している間にスキマバイトしても大丈夫?
25.07.08

退職のために有給消化している間は、長い間頑張ってきた分、心身をゆっくり休めたいと思う一方で、「この期間、何か有効活用できないかな?」「少しでも収入を増やしたいな」と考えている方もいるのではないでしょうか。そんな時、手軽に始められるスキマバイトが頭をよぎるかもしれません。「でも、有給消化中に他の仕事をするって、会社にバレないかな?」「何か問題はないのかな?」といった不安を感じる方も多いでしょう。退職を控えたデリケートな時期だからこそ、正しい知識を持って行動することが大切です。
本記事では、皆さんが安心して有給消化期間を過ごせるよう、在籍中の有給消化期間におけるスキマバイトの可否などを解説します。
在籍中のため、会社の就業規則を確認しよう!
退職のための有給消化期間中であっても、まだ会社に在籍しているため、会社の就業規則が適用されることを忘れてはいけません。スキマバイトを始める前に、必ず自社の就業規則を確認しましょう。
多くの企業では、就業規則に副業(兼業)に関する規定が設けられています。主なパターンとしては、以下の通りです。
- 原則禁止: 許可なく副業を行うことが認められていない。
- 届出制/許可制: 事前に会社への届け出や許可が必要。
- 原則自由: 副業自体は自由だが、本業に支障が出ない範囲など、条件が設けられている場合がある。
特に、「原則禁止」や「届出制/許可制」の会社に勤めている場合は、無断でスキマバイトを行うと、就業規則違反となり、懲戒処分の対象となる可能性があります。最悪の場合、退職金が減額されたり、支給されなかったりするケースも考えられますので、非常に慎重な対応が求められます。
スキマバイトを通じて次のキャリアを模索するのもアリ!
有給消化期間は、単に休むだけでなく、次のキャリアに向けて準備を進める貴重な時間でもあります。スキマバイトは、その期間を有効活用し、新しい可能性を探るためのツールとして非常に有効です。
キャリアチェンジの足がかりとしてのスキマバイト
退職を決めた理由がキャリアチェンジであった場合、有給消化中のスキマバイトは、新しい業界や職種を体験する絶好の機会となります。
未経験分野の実践的な体験
興味はあるけれど、正社員として飛び込むには不安がある未経験分野の仕事を、スキマバイトで体験してみるのも良いでしょう。例えば、IT業界に興味があるならデータ入力やテスト業務、医療・介護業界に興味があるなら簡単な補助業務など、短時間で現場の雰囲気や具体的な業務内容を肌で感じることができます。これにより、本当にその仕事が自分に合っているのか、必要なスキルは何なのかを実践を通じて確認できます。
業界のリアルな情報収集
スキマバイトを通じて、その業界で働く人々(正社員、他のアルバイトなど)と交流し、業界の現状や将来性、働く上での苦労ややりがいといったリアルな情報を得ることもできます。これは、インターネットで調べるだけでは得られない、貴重な情報源となるでしょう。実際に働く人の生の声を聞くことで、入社後のミスマッチを防ぐことにも繋がります。
スキルアップと実績作り
もし、次のキャリアで活かしたい特定のスキルがあるなら、そのスキルが求められるスキマバイトを選ぶことで、実践的なスキルアップを図ることができます。例えば、プログラミング学習中なら簡単なコーディング補助、Webデザインを学んでいるなら画像編集アシスタントなどです。たとえ短期間でも、実践で経験を積んだという事実は、転職活動におけるアピールポイントとなります。履歴書や職務経歴書に記載できなくとも、面接でのエピソードとして語れる貴重な経験となるでしょう。
人脈の拡大
スキマバイト先で出会う人々は、あなたのこれまでの職場とは異なるバックグラウンドを持つ人がほとんどです。彼らとの出会いは、新たな視点や情報をもたらし、将来的なキャリアに繋がる人脈となる可能性も秘めています。思わぬ縁が、次の仕事に繋がることもあるかもしれません。
キャリアチェンジを考えている人にとって、有給消化中のスキマバイトは、リスクを抑えながら新しい道を模索できる、非常に有効な手段と言えるでしょう。
自己理解を深める機会としてのスキマバイト
スキマバイトは、様々な仕事を経験することで、自己理解を深め、自分に本当に合った働き方や仕事を見つけるための貴重な機会にもなります。
「好き・嫌い」の発見
これまで経験したことのない多様な業務を試すことで、「意外とこの作業は楽しいな」「この職場の雰囲気は自分に合っているな」といった「好き」や、反対に「これは苦手だな」「こういう環境はストレスを感じるな」といった「苦手」を具体的に発見することができます。この「好き・嫌い」の明確化は、次の仕事選びにおいて非常に重要な指標となります。
ストレス耐性や得意なことの再認識
様々な職場で働く中で、どのような状況でストレスを感じやすいか、どのような業務で力を発揮できるかなど、自身のストレス耐性や得意なこと、苦手なことを客観的に再認識できます。例えば、立ち仕事は苦にならないが、細かい作業は苦手、といった具体的な気づきは、次の求人選びの際に役立ちます。
理想の働き方の探索
短時間、単発といったスキマバイトの特性を活かして、様々な勤務時間や業務形態を試すことで、自分にとっての理想的な働き方を見つける手がかりにもなります。「週5日フルタイムが自分には合っているのか」「リモートワークも視野に入れたいのか」など、今後の働き方を具体的にイメージする材料となるでしょう。
「社会人ブランク」の回避
もし次の仕事が決まるまでに時間がかかる場合でも、有給消化中にスキマバイトをすることで、「社会人としてのブランク期間」を作らずに済みます。これにより、面接でブランクについて問われた際に、具体的な活動内容を説明でき、前向きな姿勢をアピールできます。
まとめ
退職のための有給消化期間中にスキマバイトを行うことは可能ですが、いくつかの注意点を理解しておく必要があります。特に無断での副業は、就業規則違反となり、懲戒処分の対象となるリスクがあるため、必ず事前に確認し、必要であれば会社の許可を得ましょう。
なお、スキマバイトは、次のキャリアを模索するための実践的な機会として活用したり、新しいスキルを習得したり、自己理解を深めたりする際位も有効です。
本記事で紹介した注意点を踏まえつつ、賢くスキマバイトを活用することで、有給消化期間は、次のキャリアへの準備期間として、有意義な時間となるでしょう。