スキマバイトは休憩を取ることができる?休憩時の給与は発生する?
25.03.06

近年、多様な働き方が注目される中で、スキマ時間を有効活用できる「スキマバイト」は、多くの方にとって魅力的な選択肢となりつつあります。「ちょっとした空き時間に働きたい」「急な出費に対応したい」といったニーズに応える手軽さが人気の理由。
しかし、単発のスキマバイトに従事するにあたっては、「短時間勤務なら休憩は不要なのか?」「休憩中の給与はどうなるの?」といった疑問を持つ方もいるかもしれません。
そこで今回は、スキマバイトにおける休憩時間のルールや給与、休憩が取れない場合の対処法などを詳しく解説していきます。
スキマバイトの休憩時間のルール
労働基準法では、労働時間に応じて休憩時間の付与が義務付けられています。
これは正社員に限らず、パート・アルバイト、そしてスキマバイトといった雇用形態に関わらず適用されるルールです。具体的には、以下の通りです。
- 労働時間が6時間以内の場合:休憩なし
- 労働時間が6時間を超え8時間以内の場合:少なくとも45分の休憩
- 労働時間が8時間を超える場合:少なくとも1時間の休憩
つまり、スキマバイトであっても、上記の労働時間に応じて休憩を取る権利があります。
例えば、6時間以内の勤務では休憩は不要ですが、7時間以上勤務する場合には、少なくとも45分の休憩を取る必要があります。
また、この休憩時間は、労働時間の途中に与えられ、労働から完全に離れることが保障されている必要があります。例えば、休憩時間中に電話対応をしたり、業務の準備をしたりすることは、休憩とはみなされません。
なお、休憩時間は労働者全員に一斉に与えることが原則とされていますが、業種によっては例外もあります。例えば、運輸業や商業、金融業などでは、交代で休憩を取ることが認められています。飲食店や小売店などのスキマバイトでも、交代制で休憩を取る場合があります。
スキマバイトの休憩時間も給料は発生する?
休憩時間は、労働時間に含まれないため、原則給与は発生しません。これは、労働基準法で定められた休憩の定義が「労働から完全に離れること」とされているためです。つまり、休憩時間中は自由に過ごすことができ、業務を行う必要がないため、給与の支払い対象とはならないのです。
ただし、スキマバイトによっては時給ではなく日給制になっている場合もあります。
その場合は、休憩時間の取得具合問わず、一律で日当が支給されます。
また、休憩時間中の過ごし方についても、職場から不当な制限を受けることは許されません。例えば、「休憩時間中は事務所から出てはいけない」「休憩時間中は私語厳禁」といったルールは、労働者の自由を侵害する可能性があり、違法となる場合があります。
休憩をもらえなかった時はどうする?
もし、労働時間に応じて必要な休憩時間を与えられなかった場合、職場に休憩を要求する権利があります。
ただし、スキマバイトの場合は、先述の通り日給制の場合もあります。休憩時間と給与の支払いがどのようなルールになっているのか確認しておきましょう。
もし、時給制の場合は、休憩時間を取得できなかった旨を事務局などに伝え、適切な休憩時間を確保できるように改善してもらう、労働に費やした休憩時間分の給与を支払ってもらうなどの対応をしてもらいましょう。
スキマバイトにおける休憩時間と給与の関係 まとめ
今回の記事では、スキマバイトにおける休憩時間のルールや給与、休憩が取れない場合の対処法について解説しました。
重要なポイントをまとめると、以下の通りです。
- 労働時間に応じて休憩時間が付与される(6時間超8時間以内:45分、8時間超:1時間)
- 休憩時間中は原則として給与は発生しない
- 休憩中に業務を命じられた場合、その時間は労働時間として扱われる
- 給与と休憩時間の兼ね合いは、時給制か日給制かによっても異なる
スキマバイトは、手軽に働ける一方で、労働条件に不安や疑問を感じる方もいるかもしれません。
しかし、労働基準法では企業と労働契約を結ぶスキマバイトの場合、法律で休憩時間の確保が定められています。
もし、6時間以上の労働にもかかわらず、休憩を一切取得できなかった場合は、スキマバイトの運営元や事務局に早めに相談しましょう。