単発・短期の仕事では、毎回、初対面の同僚やスタッフと協力して業務にあたることが多いため、「何を話したら良いのか」「会話が続かなかったらどうしよう」と不安に感じる方も少なくないのではないでしょうか。

会話のきっかけを作ることは大切ですが、一方で、相手に不快感を与えてしまうデリケートな話題には注意を払う必要があります。本記事では、スキマバイトの現場で初対面の人との会話を弾ませるための話題や避けたい話題について、具体例と対処法を交えて詳しく解説します。

「住んでいる場所・出身地」に関する話題

「住んでいる場所」や「出身地」は、共通点が見つかれば一気に親近感が増し、会話が盛り上がりやすいテーマの一つです。
一見すると無難で使いやすい話題に思えますが、個人情報やデリケートな事情に深く関わる可能性があるため、安易に会話のテーマとして取り上げることは避けましょう。

「住んでいる場所・出身地」をテーマに会話をする時の注意

「住んでいる場所・出身地」に関する話題を避けるべき理由としては、プライバシーの侵害に繋がりかねないからです。特に「住んでいる場所」を尋ねることは、相手の具体的な生活圏を詮索することになり、人によっては警戒心を抱かせてしまいます。

また、「出身地」の話題についても、必ずしもポジティブな思い出ばかりではない人もいます。地元を離れた理由や、家族の事情などが関わっている可能性もあります。スキマバイトは信頼関係が未構築のまま一緒に働くため、必要以上に個人的な情報を聞き出すのは避けるべきでしょう。

その話題を振られた時の対処法

もし、あなたがこの話題を振られて困った場合は、詳細な回答を避けるや話題の転換を試みるなどが有効です。
例えば、「〇〇線沿いです」「このあたりにはよく来ますよ」といった、具体的な地名を伏せた返答に留めるなどの回答があります。また、「今日の休憩時間は何時からか知っていますか？」など、すぐに別の無難な話題に切り替えるのも方法の一つです。
相手を不快にさせず、自分の情報も守りながら、当たり障りのない雑談へと軌道修正することで、その場をスムーズに乗り切ることができるでしょう。

「趣味」に関する話題

「趣味」で盛り上がる会話も、お互いの人となりを知るための良いきっかけになり、一気に親近感が湧きやすいメリットがあります。「休日は何をされているんですか？」「何かハマっていることはありますか？」といった質問は、相手の好きなことに焦点を当てるため、ポジティブな雰囲気で会話をスタートさせることができるでしょう。
特にスキマバイトの現場では、年齢や職業がバラバラな人が集まるため、仕事以外の共通の話題を見つけることが、チームワークを築く上でも大切です。最近観た映画、美味しかったお店、好きなアーティストなどのカジュアルな趣味の話は、お互いの緊張を解きほぐし、心理的な距離を縮めるための有効な手段となります。

「趣味」をテーマに会話をする時の注意

趣味に関する話題はアイスブレイクになりますが、その深さや種類によっては、会話が途切れたり、相手を不快にさせてしまったりするリスクを秘めています。例えば、特定のスポーツやゲーム、アニメなど、専門性が高い趣味について熱く語りすぎてしまうと、相手がその分野に全く興味がない場合、一方的な自慢話や内輪ネタになってしまい、聞いている側は退屈してしまうでしょう。

会話のキャッチボールができなくなり、「この人とは話が合わない」と思われてしまうかもしれません。また、お金や時間のかかる趣味（例：高級ブランドの収集、海外旅行など）の話題は、相手の経済状況と比較されてしまい、コンプレックスを刺激する可能性があるため注意が必要です。特にスキマバイトの現場では、収入に対する考え方や経済状況が多様なので、無意識のうちにマウントを取っていると受け取られかねません。

その話題を振られた時の対処法

もしあなたが趣味の話を振られた場合は、多くの人が共感できるライトな話題に留めましょう。
相手の趣味が専門的すぎたり、自分と全く合わなかったりした場合は、「へぇ、それはすごいですね！詳しくないのですが、どんなところが楽しいですか？」といったように「質問」に徹し、聞き役に回るのが得策です。
相手の趣味を否定せず、「知ろうとする姿勢」を示すことで、好印象を保ちながら、会話の主導権を相手に委ね、無理なくその場をやり過ごすことができるでしょう。

「容姿」に関する話題

容姿や外見に関する話題は、相手を褒めているつもりでも、その言葉がセクハラやハラスメントとして受け取られてしまうリスクがあります。人はそれぞれ、自分の容姿について様々なコンプレックスやこだわりを持っています。「若く見えますね」という褒め言葉が、相手にとっては「幼く見られるのが嫌だ」という悩みを刺激することもあり、「痩せていますね」が、体調不良や病気のせいで体重が減っている人にとっては、デリケートな部分に踏み込まれたと感じる可能性があります。

「容姿」をテーマに会話をする時の注意

「美しさ」や「格好良さ」といった価値観は人それぞれであり、自分が良かれと思って使った言葉が、相手の尊厳を傷つける可能性もゼロではありません。スキマバイトの現場では、お互いの背景を深く知らないため、相手の地雷を踏むリスクを極力排除することが重要です。
また、特に異性間での容姿に関するコメントは、誤解を招く恐れがあるため、注意が必要です。

その話題を振られた時の対処法

もし、初対面の相手から自分の容姿に関する話題を振られた場合は、「ありがとうございます」と短くお礼を述べた後、すぐに「ところで、今日の作業は〇〇から始めるんでしたっけ？」「この仕事、初めてなのですが、何か注意点はありますか？」など、業務に関する話題に切り替えましょう。

「お金」に関する話題

初対面の人との会話では、お金に関する話題は避けたほうが良いでしょう。これには、「給料はいくらですか？」「貯金はありますか？」「このバイトは儲かりますか？」といった直接的な質問だけでなく、「そのブランドのバッグの値段は？」「住んでいるマンションは家賃が高そうですね」といった、経済状況を推し量るような質問も含まれます。

お金に関する話題は、聞く人によっては不快な感情を引き起こす恐れがあるため、注意が必要です。

「お金」をテーマに会話をする時の注意

収入や資産、生活費といった情報は、その人の努力や人生設計に直結するものであり、他人に簡単に開示するべき情報ではありません。また、相手の経済状況を詮索するような質問は、下世話な印象を与えたり、「この人は人の懐具合を探ろうとしている」といった警戒心を抱かせたりする原因となります。

初対面でいきなりお金に関する話題を出すことは、無神経で礼儀を欠いた行為と見なされてしまう恐れがあるため、避けましょう。

その話題を振られた時の対処法

もし、初対面の相手からお金に関する話題を振られた場合は、曖昧な返答で濁し、すぐに仕事や天気などの無難な話題に切り替えてしまいましょう。
もし、相手が執拗に聞き出そうとしてきた場合は、「プライベートなことなので…」と一言添えてきっぱりと断る勇気も必要です。初対面で踏み込みすぎた話題には、安易に答える必要はないことを心に留めておきましょう。

まとめ

スキマバイトの現場で初対面の人と円滑なコミュニケーションを図るためには、話題選びが重要です。会話のきっかけとして「趣味」などのポジティブな話題は有効ですが、専門的すぎたり、経済状況に関わるような内容は避ける配慮が必要です。一方「容姿」や「お金」に関する話題は、褒め言葉であってもハラスメントやトラブルの原因になりかねないため、避けたほうが無難でしょう。

デリケートな話題を振られた際は、必要以上に取り合おうとはせず、即座に話題を転換することを意識し、スマートにその場を乗り切りましょう。