専門職でもスキマバイトが拡大中
25.09.09

これまで「スキマバイト」と聞くと、飲食店のホールスタッフや軽作業、イベントスタッフなど、未経験でも挑戦しやすい仕事が主流でした。しかし近年、介護士や看護師、保育士といった専門的な資格やスキルを持つ人々が、スキマバイトを利用して働くケースが増えています。皆さんも、「専門職でスキマバイトなんてできるの?」と疑問に感じたことがあるのではないでしょうか。
そこで本記事では、専門職におけるスキマバイトの現状と、そのメリットについて、介護、医療、ベビーシッターの3つの業界を例に解説していきます。
介護業界
日本の高齢化は加速しており、介護業界は慢性的な人手不足に悩まされています。介護士の資格を持つ人でも、子育てや家庭の事情でフルタイムで働くことが難しい人も多く、そのスキルや経験を活かす場が限られているのが現状でした。しかし、スキマバイトの登場により、その状況は大きく変化しています。
介護業界におけるスキマバイトの拡大
介護業界では、施設のイベント時や急な欠員が出た際に、単発で介護士を募集するケースが増えています。スキマバイトを活用することで、介護士は自分の空いた時間に都合の良い場所で働くことが可能になりました。例えば、育児中の介護士であれば、子どもの登園時間や帰宅時間に合わせて、数時間だけ働くことができます。また、他の仕事と掛け持ちしながら、自分のペースで介護の仕事を続けたいと考える人にとっても、スキマバイトは理想的な働き方となっています。介護施設側も、必要な時に必要なだけ人員を確保できるため、双方にとって大きなメリットが生まれています。
スキマバイトのメリットと注意点
介護士がスキマバイトで働くメリットは、何といっても自分の資格や経験を活かしながら、柔軟な働き方ができる点です。また、様々な介護施設で働くことで、それぞれの施設の特徴や、多様な介護方法を学ぶことができ、自身のスキルアップにも繋がります。
しかし、注意点もあります。単発の仕事が多いため、それぞれの施設のルールや利用者の状況を短時間で理解する必要があり、臨機応変な対応が求められます。また、介護の仕事は責任が重いため、仕事内容を十分に確認し、自分の能力に見合った求人を選ぶことが大切です。
医療業界
医療業界もまた、看護師や薬剤師といった専門職の人手不足が深刻な課題となっています。
特に、夜勤や不規則な勤務体制がネックとなり、離職してしまう人も少なくありません。
医療業界におけるスキマバイトの拡大
医療機関では、外来補助や健康診断のサポートなど、単発で看護師を募集するケースが増えています。これらの仕事は、数時間から1日の短い期間で完結するため、子育て中の看護師や、定年退職したベテラン看護師が、自身のスキルや経験を活かしながら、社会貢献できる機会となっています。
また、クリニックや健診センターなど、病院以外の場所で働くことで、これまでの経験とは違う分野を体験できます。
スキマバイトのメリットと注意点
看護師がスキマバイトで働くメリットは、自分の都合に合わせて働けること、そして様々な医療現場を経験できることです。これにより、自分の興味のある分野や、将来的に働きたい場所を見つけるきっかけにもなります。また、医療の現場は常に新しい知識や技術が求められるため、スキマバイトを通じて最新の医療に触れることができるのも大きなメリットです。ただし、医療行為には大きな責任が伴います。仕事内容や役割分担を事前にしっかりと確認し、自分のスキルを超えた仕事を安請け合いしないよう注意しましょう。
ベビーシッター
近年、共働き世帯の増加や多様な働き方の普及により、ベビーシッターの需要が急増しています。
これまでも、ベビーシッターは単発の仕事が多かったですが、最近ではスキマバイトアプリを通じて、より手軽に仕事を探せるようになりました。
ベビーシッターにおけるスキマバイトの拡大
ベビーシッターは、保育士や幼稚園教諭の資格を持つ人にとっては、これまでの経験を活かせる絶好の機会です。スキマバイトとして働くことで、自分の空いた時間や都合の良い日に、短時間だけ子どものお世話をすることができます。例えば、保育園の送迎時間だけ、あるいは習い事の付き添いだけといった、短い時間での仕事も増えており、子育て中の保育士でも、無理なく働くことができるようになりました。
スキマバイトのメリットと注意点
ベビーシッターがスキマバイトで働くメリットは、自分の好きな時間に働けること、そして子どもと関わる喜びを感じられることです。また、様々な家庭のお子さんのお世話をすることで、多様な育児の形に触れることができ、自身のスキルアップにも繋がります。
しかし、ベビーシッターは子どもの命を預かる非常に責任の重い仕事です。仕事を引き受ける前に、保護者との打ち合わせをしっかりと行い、子どもの年齢や性格、アレルギーの有無などを細かく確認することが重要です。
まとめ
これまで単発や短期の仕事が中心だったスキマバイトですが、介護、医療、ベビーシッターといった専門職の分野でも、その働き方が拡大しています。これは、専門的なスキルを持つ人々が、自分の都合に合わせて柔軟に働きたいというニーズと、人手不足に悩む業界側のニーズが合致した結果と言えるでしょう。
自分の資格や経験を活かしながら、好きな時に好きな場所で働けるスキマバイトは、専門職の人々にとって、キャリアを続けるための新しい選択肢となっています。これからも、様々な分野でスキマバイトの可能性は広がっていくでしょう。