スキマバイト経験は履歴書の職歴に記載しても良い?正しい履歴書の職歴欄の書き方とは?
25.07.11

履歴書を作成する際、「スキマバイトの経験って、職歴欄に書くべきなのかな?」と迷ったことはありませんか?短期のアルバイトや単発の仕事が増えている今、このような疑問を抱く方は少なくないのではないでしょうか。履歴書は、あなたのこれまでのキャリアを企業に伝える大切な書類です。職歴欄の書き方一つで、採用担当者に与える印象は大きく変わることもあります。スキマバイトの経験が、あなたの強みになることもあれば、逆効果になってしまうことも。
本記事では、皆さんが自信を持って履歴書を作成できるよう、履歴書の職歴欄の正しい書き方例から、スキマバイト経験の職歴欄への記載の可否、そしてスキマバイト経験を効果的にアピールするための自己PRへの記載方法まで、詳しく解説していきます。
職歴欄の基本的な記載ルール
まずは、基本的な職歴欄の記載ルールについて解説します。
入社・退社の正式名称を記載する
企業名だけでなく、必ず「株式会社」「有限会社」などの法人格も含めて正式名称で記載します。また、入社は「入社」、退社は「退職」と明確に書きましょう。自己都合で退職した場合は「一身上の都合により退職」、会社都合の場合は「会社都合により退職」と記載します。
時系列で記載し、原則空白期間を作らない
職歴は、古い順に時系列で記載するのが基本です。過去から現在までの職務経歴がスムーズに追えるようにしましょう。また、転職などでブランクがある場合は、その期間についても「〇年〇月〜〇年〇月 (ブランク期間の理由)」のように、簡潔に理由を記載すると良いでしょう。例えば、「病気療養のため」や「介護のため」など、正直に記載することで、採用担当者の疑問を解消できます。
所属部署や担当業務を具体的に記載する
単に会社名と入退社年月だけでなく、「所属部署」や「担当業務」を具体的に記載しましょう。これにより、採用担当者は職務内容や経験分野を把握しやすくなります。例えば、「〇〇株式会社 製造部 部品加工担当」のように記載し、その下には箇条書きなどで具体的な業務内容を簡潔にまとめると良いでしょう。「〇〇製品の製造工程におけるプレス加工業務」「品質管理業務(ISO9001認証取得に貢献)」など、応募職種に関連性の高い業務を優先して記載すると、アピールポイントになります。
学歴の後に職歴を記載する
履歴書によっては学歴と職歴の欄が分かれている場合もありますが、一般的には学歴の後に職歴を記載します。学歴と職歴の区切りとして、「学歴」と「職歴」という見出しを中央に記載すると、より分かりやすくなります。学歴は義務教育から記載し、最終学歴の卒業年月日の下に「卒業」と記載します。
最後の行に「以上」と記載する
職歴欄の最後に、必ず右寄せで「以上」と記載します。これは、「これ以降に記載する職歴はない」ということを示すための、履歴書作成における一般的なマナーです。記載漏れを防ぎ、書類として完成している旨を示すことができます。
職歴欄の具体的な記載例
ここでは、いくつかのパターンに分けて、職歴欄の具体的な記載例を見ていきましょう。自分の状況に合わせて参考にしてみてください。
正社員経験がある場合の例
学歴
〇年〇月 〇〇県立〇〇高等学校 卒業
〇年〇月 〇〇大学〇〇学部〇〇学科 卒業
職歴
〇年〇月 〇〇株式会社 入社
製造部 生産管理課に配属
主に自動車部品の生産計画立案、進捗管理を担当
サプライヤーとの納期調整、品質改善活動にも従事
〇年〇月 一身上の都合により退職
〇年〇月 株式会社〇〇 入社
品質保証部 品質管理課に配属
半導体製造装置の品質検査、不良品解析、顧客対応を担当
ISO9001内部監査員として、品質マネジメントシステム改善に貢献
現在に至る
以上
ブランクがある場合の例
学歴
〇年〇月 〇〇県立〇〇高等学校 卒業
〇年〇月 〇〇専門学校〇〇科 卒業
職歴
〇年〇月 株式会社〇〇 入社
営業部 法人営業担当
新規顧客開拓、既存顧客への深耕営業を担当
年間売上目標達成率120%を2年連続で達成
〇年〇月 一身上の都合により退職
〇年〇月 結婚に伴い、〇〇県へ転居
〇年〇月 株式会社△△ 入社
事務部 経理課に配属
月次決算業務、売掛金・買掛金管理、従業員の給与計算を担当
現在に至る
以上
アルバイト経験のみで正社員を目指す場合の例
この場合、職歴欄にはアルバイト経験を記載し、その下で「現在に至る」と締めくくります。アルバイトであっても、所属企業名や業務内容を具体的に記載することが大切です。
学歴
〇年〇月 〇〇県立〇〇高等学校 卒業
職歴
〇年〇月 株式会社〇〇(コンビニエンスストア) アルバイト入社
店舗スタッフとしてレジ業務、品出し、清掃、発注業務を担当
顧客対応では、お客様のニーズを的確に把握し、最適な商品の提案に努める
〇年〇月 株式会社△△(飲食店) アルバイト入社
ホールスタッフとしてお客様のご案内、オーダーテイク、料理の提供、テーブルセッティングを担当
新人の教育にも携わり、チームワークの重要性を学ぶ
現在に至る
以上
これらの例を参考に、あなたの職務経歴を分かりやすく、正確に記載しましょう。簡潔でありながらも、具体的な業務内容を記載することで、採用担当者はあなたのスキルや経験をイメージしやすくなります。
スキマバイト経験は履歴書の職歴に記載しても良い?
結論から言うと、単発・短期のスキマバイト経験は、原則として履歴書の職歴欄に記載する必要はありません。一般的に職歴欄は、正社員や契約社員、長期のアルバイトなど、継続的な雇用関係にあった職務経歴を記載します。
職歴欄に記載しなくて良い理由
スキマバイトは、雇用期間が短く、業務内容も多岐にわたるため、職歴として羅列するとかえって職歴欄が複雑になり、主要なキャリアを示しにくくなる可能性があります。また、企業側も、履歴書からあなたがどのようなキャリアを歩んできたのかを簡潔に知りたいと考えており、あまりに多くの短期職歴があると、集中力や定着性に関して誤解を招く可能性もゼロではありません。
記載を検討すべき例外ケース
ただし、正社員の職歴がなく、長期間にわたってスキマバイトのみで生計を立てていた期間がある場合、職歴欄が空白になるのを避けるために記載を検討できます。その際も、単に羅列するのではなく、代表的な勤務先や業務内容を数社に絞って記載し、「複数社のスキマバイトに従事」といった形でまとめる工夫が必要です。
また、応募職種と関連性の高い経験の場合も履歴書への記載が推奨されることがあります。具体的には、応募する企業の業務内容とスキマバイトで得た経験が直接的に関連しており、それが強力なアピールポイントになる場合が例として挙げられます。ただし、この場合も職歴欄にすべてを記載するのではなく、あくまで自己PR欄で詳細を説明するための補足情報として記載を検討する程度に留めるのが賢明です。
これらの例外ケースであっても、すべてのスキマバイトを羅列するのではなく、応募先の企業にとって有益な情報に絞って記載することが重要です。
スキマバイト経験は自己PRへの記載がおすすめ!
スキマバイト経験は、職歴欄に無理に記載するよりも、自己PR欄や職務経歴書で具体的なエピソードとして語る方が、強みやポテンシャルを効果的にアピールできる場合があります。
以下では、自己PRでスキマバイト経験をアピールする際のポイントを解説します。
【ポイント1】何を学び、何を身につけたか
単に「〇〇でスキマバイトをしました」と書くだけでは、アピールになりません。そこで、「どのような業務を通じて、何を学び、どのようなスキルを身につけたのか」を具体的に伝えましょう。
例1:コミュニケーション能力
「飲食店でのスキマバイトを通じて、初対面のお客様や多様なバックグラウンドを持つスタッフと円滑にコミュニケーションを取る能力を培いました。特に、急な来店状況の変化にも柔軟に対応し、お客様の満足度向上に貢献しました。」
例2:状況判断力・対応力
「イベント設営のスキマバイトでは、予期せぬトラブルが発生した際にも、指示を待つだけでなく、自ら状況を判断し、チームメンバーと協力して迅速に対応する力を養いました。」
例3:責任感・正確性
「物流倉庫でのピッキング作業では、限られた時間の中で正確かつ迅速に作業をこなす責任感と、細かい数字をミスなく処理する正確性を身につけました。」
【ポイント2】応募職種との関連性を明確にする
アピールするスキマバイト経験が、応募する職種や企業でどのように活かせるのかを伝えましょう。例えば、営業職に応募するのであれば、接客業でのスキマバイト経験を通じて培ったコミュニケーション能力や課題解決能力をアピールするなど、本業との繋がりを意識した説明が効果的です。直接的な関連性がなくても、「多様な業務に挑戦することで、変化への適応力を身につけました」といった形で、普遍的なスキルとしてアピールすることも可能です。
【ポイント3】主体性と成長意欲を示す
スキマバイトを始めた理由が、「時間を有効活用したい」「新しいことに挑戦したい」「将来のキャリアを考えるため」など、あなたの主体性や成長意欲を示す動機であれば、それもアピールポイントになります。例えば、「本業では得られない経験を積むため、異業種のスキマバイトに挑戦しました」といった形で、積極的に自己成長を追求する姿勢を伝えられます。
自己PR欄を最大限に活用し、スキマバイト経験を自身の強みとしてアピールすることで、採用への道を切り開くことができるでしょう。
まとめ
原則として、単発・短期のスキマバイトは履歴書の職歴欄に記載する必要はありません。職歴欄は、正社員や長期のアルバイトなど、継続的な雇用関係にあった職務経歴を時系列で分かりやすく伝えるためのものです。
しかし、もしスキマバイト経験が応募職種と深く関連していたり、空白期間を埋める必要があったりする場合は、職歴欄への記載を検討しても良いでしょう。その際も、すべてを羅列するのではなく、応募企業に関連性の高い経験に絞り、簡潔に記載することが重要です。
これまでのスキマバイト経験は、工夫次第で大きな強みになります。本記事で解説したポイントを参考に、ぜひ自身の魅力を最大限に伝えられる履歴書を作成してみてください。