着替えや業務説明の時間は業務時間に含まれる?労働時間に含まれるケースと含まれないケースを解説
25.03.08

アルバイトやパート、派遣など、様々な働き方をしている皆さんの中には、「仕事前の着替え時間って、労働時間に含まれるの?」「業務開始前の説明を受けている時間も、給料が発生するのかな?」と、着替えや業務説明の時間について疑問に思ったことがある方もいるのではないでしょうか。
特に、スキマバイトなど短時間勤務の場合は、着替えや業務説明の時間の扱いが気になるかもしれません。
本記事では、着替えや業務説明の時間が労働時間に含まれるケースと含まれないケースを、労働基準法の考え方に基づいて詳しく解説します。
着替えや業務説明の時間が労働時間に含まれるケース
労働基準法では、「労働時間」とは、使用者の指揮命令下にある時間と定義されています。つまり、使用者の指示によって、労働者が業務に従事している時間だけでなく、業務に必要な準備や後片付けなど、付随的な作業を行っている時間も労働時間に含まれると考えられます。
この考え方に基づき、着替えや業務説明の時間が労働時間に含まれるのは、以下のようなケースです。
1. 着替えが義務付けられている場合
会社や事業所が定めた制服や作業着への着替えが義務付けられている場合、着替えが業務を行う上で不可欠な準備行為とみなされるため、着替え時間は労働時間に含まれます。
会社指定の制服着用
会社から支給された制服や作業着を着用することが義務付けられている場合。
衛生管理上の理由
食品工場や医療機関など、衛生管理上の理由で着替えが必要な場合。
安全管理上の理由
工事現場や製造現場など、安全管理上の理由で作業着や保護具の着用が義務付けられている場合。
上記に該当する場合、更衣室への移動時間や着替えにかかる時間も労働時間に含まれます。
2. 業務説明への参加が義務付けられている場合
業務開始前に行われる朝礼やミーティング、研修など、業務説明への参加が義務付けられている場合、原則これらの説明を受ける時間は労働時間に含まれます。
具体的には、以下のような例が挙げられます。
朝礼やミーティングへの参加が必須
業務開始前に行われる朝礼やミーティングへの参加が義務付けられている場合。
研修や教育訓練への参加が義務付けられている場合
新入社員研修や安全教育など、研修や教育訓練への参加が義務付けられている場合。
業務に関する指示や伝達を受ける時間
業務の進め方や注意事項など、業務に関する指示や伝達を受ける時間が定められている場合。
上記事例に該当する場合、説明を受けている時間だけでなく、会場への移動時間なども労働時間に含まれます。
着替えや業務説明の時間が労働時間に含まれないケース
一方で、着替えや業務説明の時間が労働時間に含まれないケースもあります。
1. 着替えが任意の場合
会社や事業所から制服や作業着の着用が義務付けられておらず、私服で業務を行う場合や着替えが任意の場合は、着替えが業務を行う上での必須行為とはみなされないため、着替え時間は労働時間に含まれません。
服装自由の職場
服装が自由なオフィスワークなど。
私服の上にエプロンなどを着用する場合
飲食店などで、私服の上にエプロンなどを着用する場合。
ただし、着替えが任意であっても、業務の性質上、特定の服装でなければ業務を行えない場合は、着替え時間が労働時間に含まれる可能性があります。
例えば、清掃業務などで、作業に適した服装に着替えることが推奨されている場合などが該当します。
2. 業務説明への参加が任意の場合
業務説明への参加が任意の場合、原則説明を受ける時間は労働時間に含まれません。例えば、自由参加の勉強会や研修などが該当します。
自由参加の勉強会
業務時間外に自由参加で行われる勉強会。
任意参加の研修
業務時間外に任意参加で行われる研修。
ただし、参加を推奨されている場合でも、実質的に参加が強制されていると判断される場合は、労働時間に含まれる可能性があります。
具体的な事例で考えてみましょう!
事例1:飲食店でのアルバイト
飲食店のスキマバイトにエントリーしたAさんは、制服に着替えることが義務付けられており、指定された更衣室で着替えています。
この場合、更衣室への移動時間や着替えにかかる時間は労働時間に含まれます。
事例2:オフィスでの勤務
オフィス勤務のスキマバイトにエントリーしたBさんは、服装が自由です。
この場合、出勤前の着替え時間は労働時間に含まれません。
事例3:イベントスタッフのスキマバイト
イベントスタッフのスキマバイトをしているCさんは、業務開始前に簡単な説明を受けます。
説明への参加は必須であり、決められた場所で行われます。この場合、説明を受けている時間は労働時間に含まれます。
まとめ
着替えや業務説明の時間が労働時間に含まれるかどうかは、様々な要因によって判断されます。
基本的には、使用者の指揮命令下にあるかどうか、業務を行う上で必須の行為かどうかなどが判断基準となります。
短い時間であっても、労働者の権利はきちんと守られるべきです。
もし、労働時間に関して疑問や不明な点があれば、運営会社に問い合わせてみましょう。