最低賃金の改定は、毎年7～8月頃に引き上げ額が決定され、10月頃に改定が実施されます。2024年度の最低賃金引き上げ目安は50円とされており、過去最高額の引き上げになると言われています。
賃上げの風潮は正社員に限った話と思われがちですが、実は非正規社員にもその影響は及ぶことがあります。
もちろん、スキマバイトをメインに働くワーカーにも影響を与えることもあるでしょう。実際に、一昔前と比較して給与相場が高くなった案件も少なくありません。

そこで本記事では、今話題になっている最低賃金の引き上げについて解説するとともに、スキマバイトへの影響についてもお伝えしたいと思います。

最低賃金額改定について

最低賃金は、国が労働者の生活水準を守るために定められた賃金の最低額で、その額は毎年見直しが行われています。
最低賃金額は、都道府県ごとに異なり、地域の経済状況や近隣の都道府県の賃上げ状況、物価の変動などを考慮して設定されています。最低賃金の引き上げは、働く人々にとって大きなメリットとなる一方で、企業側にも影響を与えます。ここでは、最低賃金の改定について詳しく見ていきましょう。

最低賃金引き上げの背景

日本では、労働者の生活向上や消費力の強化を目的に、毎年最低賃金の引き上げが行われています。特に近年、物価の上昇や経済成長に伴い、最低賃金の引き上げペースが加速しています。厚生労働省は毎年、中央最低賃金審議会の答申を受けて、都道府県ごとに最低賃金を改定します。これにより、年々賃金水準が上がり、労働者の賃金改善が図られています。

スキマバイトへの影響

最低賃金が引き上げられることで、スキマバイトで働く人々にも影響が生じると考えられます。
1案件あたりの賃金が引き上げられるため、収入の増加も期待できるでしょう。

都道府県別改定後の賃金

最低賃金は、地域ごとに異なり、全国一律ではありません。2023年には多くの都道府県で最低賃金が改定され、それぞれの地域で異なる賃金が適用されています。
各都道府県の最低賃金は、下記厚生労働省のホームページから確認いただけます。

参考：厚生労働省『地域別最低賃金の全国一覧』

都道府県ごとの格差

最低賃金は都道府県ごとに異なり、東京や神奈川、大阪といった大都市圏では高めに設定されている一方で、地方では比較的低い水準になっているケースが一般的です。大都市圏では生活費が高いため、賃金もそれに応じて上昇する傾向が見られます。一方で、地方では物価水準が低いことから、最低賃金もそれに合わせて低めに設定されているケースが大半です。
しかし、最近では地方でも最低賃金の引き上げが進んでおり、地域間の賃金格差は少しずつ縮小しつつあると言われています。

最賃が引きあがる頻度

最低賃金の引き上げは、毎年行われることが通例となっています。ここでは、最低賃金がどのような頻度で引き上げられるのか、またどのようなプロセスで決定されるのかを解説します。

年1回の引き上げが基本

最低賃金は、毎年、厚生労働省によって改定されます。通常、夏頃に中央最低賃金審議会が審議を行い、その後、秋に各都道府県で新しい賃金が適用される流れです。経済状況や物価の動向、労働者の生活水準などが審議に影響し、必要に応じて賃金の引き上げが実施されます。

国全体の経済状況に応じた引き上げ

最低賃金の引き上げは、日本全体の経済状況や物価、企業の収益状況などを総合的に判断して決定されます。働く人々の生活を守るため、インフレなどの影響で物価が上昇する際には、賃金の引き上げが行われる傾向が見られます。

賃金の引き上げ幅は年によって異なる

最低賃金の引き上げ幅は毎年異なります。直近の例では、2022年には平均31円の引き上げが行われましたが、年によってはそれ以上の大幅な引き上げが実施されることもあります。特に近年は、物価上昇や労働力不足を背景に、引き上げ幅が拡大している傾向にあります。

最低賃金の引き上げ まとめ

最低賃金の引き上げは、スキマバイトで働く人々にも多かれ少なかれ影響が生じると考えられます。
ただし、最低賃金が引き上げられるということは、物価上昇や生活コスト増加などの要因が背景に潜んでいるケースもあります。
最低賃金が引き上げられたからといって、自由に使えるお金が増えるとは限りません。

常に収入と支出の状況をチェックするとともに、収支に見合った生活を心掛けるようにしましょう。