スキマバイトでも源泉徴収票はもらえるの?
25.02.25

短時間だけ働くスキマバイトをしている方の中には、源泉徴収票について疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。正社員と違って短期間の勤務だから関係ないと思っている方もいるかもしれません。
しかし、実はスキマバイトとして勤務していたとしても源泉徴収票は、様々なシーンで利用される重要な書類です。
本記事では、源泉徴収票とは何か、どのような場面で必要になるのか、発行されるケース、そして発行してもらえない場合の対処法まで、詳しく解説します。
源泉徴収票とは?
源泉徴収票とは、1年間の給与収入と、その中から源泉徴収された所得税額を証明する書類です。
給与を支払う企業や事業者は、従業員に対して源泉徴収票を発行する義務があります。
源泉徴収の仕組み
源泉徴収とは、給与を支払う企業が従業員に支払う給与から所得税をあらかじめ差し引き、国に納付する制度です。
従業員自身が確定申告を行わなくても、企業が代わりに納税を行ってくれます。
源泉徴収票に記載されている内容
源泉徴収票には、主に以下の内容が記載されています。
- 支払金額: 1年間の給与の総額(基本給、残業代、賞与などを含む)
- 給与所得控除後の金額: 支払金額から給与所得控除額を差し引いた金額
- 所得控除の額の合計額: 各種所得控除(基礎控除、配偶者控除、扶養控除など)の合計額
- 源泉徴収税額: 1年間で源泉徴収された所得税の額
これらの情報は、確定申告や各種手続きを行う際に必要となります。
源泉徴収票が必要な場面
源泉徴収票は、様々な場面で必要となる重要な書類であり、主に以下のような場面で必要となります。
1. 確定申告をする時
確定申告とは、1年間の所得を計算し、納めるべき税金を確定する手続きです。源泉徴収票は、確定申告を行う際に、給与所得の金額や源泉徴収された税額を申告するために使用します。
特に、以下のようなケースでは確定申告が必要になります。
- 2ヶ所以上から給与を受け取っている場合: 複数のアルバイトやパートを掛け持ちしている場合など。
- 給与所得以外に所得がある場合: 副業で得ている所得や、不動産所得などがある場合。
- 医療費控除や住宅ローン控除などを受ける場合: 医療費が多くかかった場合や、住宅ローンを利用している場合。
2. 還付申告をする時
還付申告とは、源泉徴収された税金が本来納めるべき税金よりも多かった場合に、税金の還付を受けるための手続きです。
例えば、年の途中で退職し、年間の所得が一定額以下になった場合、源泉徴収された税金が還付される可能性があります。この場合、還付申告を行うことで、納めすぎた税金が還付されます。
3. 転職する時
年の途中で転職した場合、転職先の企業で年末調整を行うために、前の勤務先から発行された源泉徴収票を提出する必要があります。転職先の企業は、提出された源泉徴収票に基づいて、年間の所得を合算して年末調整を行います。
4. 各種ローンや融資を申し込む時
住宅ローンや自動車ローン、その他各種ローンや融資を申し込む際に、収入を証明する書類として源泉徴収票の提出を求められることがあります。
5. 保育園や幼稚園の入園手続きをする時
保育園や幼稚園の入園手続きを行う際に、収入を証明する書類として源泉徴収票の提出を求められることがあります。
このように、源泉徴収票は様々な場面で必要となるため、大切に保管しておきましょう。
源泉徴収票が発行されるケース
源泉徴収票は、雇用形態に関わらず、給与を支払ったすべての従業員に対して発行する義務があります。
そのため、スキマバイトでも、給与が支払われた場合は源泉徴収票が発行されます。
発行時期
- 年の途中で退職した場合: 退職日から1ヶ月以内
- 年の最後まで勤務した場合: 翌年の1月31日まで
通常は、書面で発行されますが、従業員の同意があれば電子データで発行することも可能です。
日給9,300円以上の場合は源泉徴収される
短期バイトやスキマバイトの場合、日給が9,300円以上であれば、源泉徴収が行われます。
ただし、源泉徴収されたかどうかに関わらず、源泉徴収票は発行されます。
源泉徴収票を発行してもらえない場合の対処法
もし、勤務先から源泉徴収票を発行してもらえない場合は、以下の手順で対処しましょう。
1. 勤務先に発行を依頼する
まずは、勤務先に源泉徴収票の発行を依頼しましょう。電話やメール、または直接出向いて依頼しても構いません。
2. 「源泉徴収票不交付の届出書」を税務署に提出する
勤務先に依頼しても発行してもらえない場合は、「源泉徴収票不交付の届出書」を税務署に提出します。
源泉徴収票不交付の届出書を提出することで、税務署が勤務先に対して源泉徴収票の発行を指導してくれます。
なお、「源泉徴収票不交付の届出書」は、国税庁のホームページからダウンロードできます。
3. 労働基準監督署に相談する
それでも発行してもらえない場合は、労働基準監督署に相談することもできます。労働基準監督署は、労働者の権利を守るための機関であり、適切なアドバイスや指導を行ってくれるでしょう。
スキマバイトに関連した源泉徴収票に関するよくある質問
ここでは、スキマバイトに関連した源泉徴収票に関するよくある質問と回答を紹介します。
Q. スキマバイトで複数の勤務先がある場合、それぞれの勤務先から源泉徴収票をもらう必要がありますか?
A. はい、それぞれの勤務先から源泉徴収票をもらう必要があります。確定申告や年末調整を行う際に、それぞれの源泉徴収票が必要になります。
Q. 源泉徴収票を紛失してしまった場合はどうすればいいですか?
A. 勤務先に再発行を依頼しましょう。
Q. スキマバイトで得た収入は確定申告が必要ですか?
A. スキマバイトを含めた給与所得の合計が年間103万円を超える場合や、副業としてスキマバイトをしていてその収入が20万円を超える場合などは、確定申告が必要になります。
まとめ
源泉徴収票は、スキマバイトでも発行される大切な書類です。
確定申告や転職、各種手続きなど、様々な場面で必要となるため、きちんと保管しておきましょう。
万が一、勤務先から源泉徴収票を発行してもらえない場合は、そのままにせず、本記事で紹介した方法で対処しましょう。