アメリカと日本のギグワークの違い
22.01.12

新型コロナウイルスの影響もあり、単発の仕事を請け負う「ギグワーク」に注目が集まりつつあります。
一方で「ギグワークに興味があるけれど、実際はどうなの?」と不安や疑問をお持ちの方も多いですよね
そこで今回は、日本とギグワーク先進国のアメリカとの比較をお伝えします。
知ってる?アメリカと日本のギグワーカーの割合
アメリカで発行されている世界的な経済雑誌”Forbes”には、アメリカ全体の就業人口のうち、約1/3がフリーランスで占められていると記載されています。フリーランスとは、独立した個人事業主もしくは個人企業法人のことを言います。広義ではギグワーカーもこのフリーランスに属することになります。
つまり、アメリカで働いている人の約3人に1人はフリーランスもしくはギグワーカーということです!
一方で日本におけるギグワーカーの数は、正確な統計はないものの、
700万人に達すると言われています。
今の日本の総人口1.258億 (2020年)から計算すると・・・
日本のギグワーカーの割合は約0・05%。つまり20人に1人の割合です。
アメリカの3人に1人(フリーランスを含む)と比べると、その割合が全く違うことに驚きです!
ギグワーク先進国を走り続けるアメリカと日本の違い
世界のギグワーク市場では、アメリカだけで約46%ものシェア割合を占めているそうです。
世界的にみても、アメリカがダントツでギグワーク市場のシェア割合を占めていることがわかります。
アメリカはなぜそんなにもギグワーク市場が活発なのでしょうか??
その違いを日本と比較してご紹介します。
日本よりアメリカの方がギグワーク普及している理由に、
「フリーランスへのイメージの違い」があります。
日本では「フリーランス=フリーター・不安定な仕事」というイメージを持たれやすいですよね。
その点アメリカは「フリーランス=個人事業主」という認識が既に広がっているため、
会社員からフリーランスに転身しやすいそうです。
またアメリカでフリーランスとして成功している方は、通常の会社員と比較しても高収入を得ているとのこと。
アメリカが世界でもギグワーク先進国を走り続けられるのは、日本と違いギグワーカーへのイメージや、そもそものギグワーカーの能力が違うためだと言えそうです。
アメリカVS日本 ギグワーカー収入の違い
アメリカと日本では「ギグワーカーの年収がどれくらい違うのか?」という点に興味・関心を持つ方も少なくないでしょう。
アメリカのギグワーカー収入
アメリカの2018年におけるギグワーカー総収入は1兆4000億ドル(約152兆円)を超えたのをご存知でしょうか!?
アメリカの決済業界情報サイトでは、ギグワークを本業とする40%以上のギグワーカーは年収10万ドル(約1090万円)以上稼いでいると報告されています!!
ギグワーカーの約半数近くが約1,000万円以上稼いでいるなんて、驚きですよね!
平均年収も5万8000ドル(約630万円)前後とみられ、全体的に高い年収を得ていることが分かりました。
日本のギグワーカー収入
一方で日本のギグワーカーはどうでしょうか。
日本のギグワーカーの年収は本業とするか副業とするかなどの条件によって大きく変わります。
そのため正確なギグワーカーの年収データはないようです。
今回は内閣官房日本経済再生総合事務局が行った『フリーランス実態調査』を参考にアメリカとの年収比較をしたいと思います!
フリーランスを本業にする方の年収データは下記の通りです。
<フリーランスの年収>
- 「100万円未満」:16%
- 「100万~200万円未満」:18%
- 「200万~300万円未満」:19%
- 「300万~400万円未満」:16%
- 「400万~500万円未満」:12%
- 「500万~600万円未満」:8%
- 「600万~700万円未満」:5%
- 「700万~800万円未満」:4%
- 「800万~900万円未満」:2%
- 「900万~1000万円未満」:2%
- 「1000万円以上」:4%
上記のデータでは、ボリュームゾーンは「200万~300万円未満」。
また年収「300万円未満」は過半数を超え、フリーランスの8割は「年収500万円未満」。
参考資料: 内閣官房日本経済再生総合事務局『フリーランス実態調査』
日本のデータはフリーランスの年収ですが、それでもアメリカのギグワーカー収入と比較すると、アメリカのギグワーカーがどれほど稼いでいるかわかりますね!
アメリカのギグワーカーと日本のギグワーカーでは、なぜそんなにも収入差があるのか?
それは、アメリカのギグワーカーはより専門性の高い仕事、つまり自分にしかできない仕事を請け負っているからです。
実際にアメリカのギグワーカーの中でも高収入を得ている人の特徴として下記に該当する方の割合が多かったそうです。
- 高い専門的技術を持っている
- 博士号取得者(専門性に秀でている)
日本のギグワークは主に専門的知識・スキルを必要としないお仕事が中心です。
日本でアメリカのギグワーカーのように年収1,000万円を超える収入を実現するのはかなりハードルが高そうですね…。
一方で専門的知識・スキルを必要としない日本のギグワークは、『始めやすい』というアメリカにはないメリットがあります!
副業解禁の働きかけや業務委託を活用する企業も増えてきました。
今このタイミングでギグワークを始め、ギグワーカーとしての新しいポジションを築いてみるのも良いかもしれませんよ!